スタッフサービス・エンジニアリング様向け

機電系エンジニア向け 生成AI活用入門 機電①

設備の取扱説明書を読み込ませて、現場の質問に答える「設備マニュアル相談アシスタント」を Gemini の上に作ります。つくったあとは、制御盤のエラー画像を読ませる、点検記録から傾向を出す、走り書きのメモを日報に整える、まで手を動かします。

2026年9月9日(水) 全 [120min] 機電系エンジニア(1〜3年目中心) オンライン(ZOOM)
Givery, Inc.
01

本日つくるもの

ブラウザの Gemini に、自分専用のアシスタントを1つ作ります。インストールするものはありません。

作成した設備マニュアル相談アシスタントに、E-02 の対処を質問して回答が返っている画面
取扱説明書を覚えさせたアシスタントに、現場の言葉で質問しています。答えは説明書に書いてある内容から返り、どこに書いてあったかも一緒に出ます。
01

取扱説明書から答える

エラーコード、点検の周期、部品の品番といった質問に、配布した取扱説明書の記述をもとに答えます。説明書のどこに書いてあったかも示すので、答えをそのまま信じずに確かめられます。

02

答え方を決めておく

「手順は番号を振って書く」「安全に関わる注意を必ず添える」といった決まりを、アシスタント側に持たせます。毎回同じ指示を打ち直さずに済みます。

03

エラー表示の写真を読ませる

制御盤に出ているエラーの画像を渡して、コードの意味と対処を出します。型式や表示を打ち直す手間がなくなります。

04

記録とメモを整える

点検記録から異常の傾向を読み取り、走り書きのメモを提出できる日報の形に整えます。書く時間そのものを短くします。

02

本日のゴール

持ち帰るもの 自分の Gemini アカウントに残る「設備マニュアル相談アシスタント」と、そこに書いた指示文がそのまま持ち帰るものです。指示文の中身を差し替えれば、担当している別の設備でも同じものが作れます。あわせて、業務で使ってよい情報とそうでない情報の線引きを手元に残します。
03

当日の流れ

セッション内容形式時間
S01 オリエンテーション 講義 [10min]
S02 モノづくり工程と生成AI活用マップ 講義 [35min]
S03 確定ユースケース実演 ハンズオン [35min]
S04 業務アシスタント作成ハンズオン ハンズオン [30min]
S05 質疑応答・閉会 講義 [10min]

合計 [120min]。開始時刻は当日のご案内をご確認ください。

04

ツールと役割分担

Gemini で考えさせ、Gemini Notebook(旧 NotebookLM) に資料を読ませます。どちらもブラウザだけで動きます。当日読ませるのは配布したダミーの資料だけです。

つくる

Gemini

ブラウザ版・無料の範囲

  • アシスタント(Gem)の作成
  • 取扱説明書の読み込みと質問応答
  • エラー表示の画像の読み取り
  • 点検記録と作業メモの整理
読ませる

Gemini Notebook

ブラウザ版・無料の範囲

  • 資料をまとめて置いておく場所
  • どの資料のどこに書いてあったかの確認
  • 9月18日の技術文書・図面の回で本格的に使います
取扱説明書を読み込ませる 答え方の決まりを書く 現場の言葉で質問する 答え方を直す

当日選ぶモデル

3.6 Flash

モデルの名前は入れ替わりが早く、ここに書いたものと当日の画面が違うことがあります。当日は入力欄の上にあるモデルの一覧から、表示されているものをお使いください。無料でお使いいただける範囲は Gemini の使用量上限(Google 公式ヘルプ) で公開されています。

05

Gemini の最新動向

本日使うツールは、この数か月で名前も機能も動いています。2026年8月15日時点の公式ドキュメントで確認した内容をまとめます。

確認できた事実

本日つくるアシスタント(Gem)は、無料の範囲で使えます。Google の公式ヘルプにあるプラン別の一覧で、Gem は「Google AI プランなし」の列にチェックが付いています。同じ表で Gemini Spark は無料と Plus が対象外になっています。

Google 公式ヘルプのプラン別機能一覧。Gem は Google AI プランなしの列にチェックが付き、Gemini Spark は無料と Plus の列が対象外になっている
Gem の行は4つの列すべてにチェックが付いています。Gemini Spark の行は左の2列が対象外です。出典 Gemini アプリの使用量上限とアップグレード

Gemini Spark は、Gemini を「答えるもの」から「動くもの」へ広げる機能です。2026年5月19日の Google I/O で発表され、日本には7月29日に案内が出ました。指示を出すとバックグラウンドで動き続け、Gmail や カレンダー を操作します。使うには Google AI Pro か Ultra が必要で、仕事用・学校用のアカウントでは使えません。

Gemini Spark の公式ヘルプ。18歳以上、個人の Google アカウント、Google AI Pro または Ultra のサブスクリプションが必要と書かれている
Spark の利用条件です。3つ目に Google AI Pro または Ultra とあります。出典 Gemini Spark を使用する

スキル(Skills)は、Spark に手順を覚えさせる仕組みです。Gem の置き換えではなく、Spark の中で使う機能です。こちらも Google AI Pro か Ultra が必要で、個人のアカウント限定です。欧州経済領域・ナイジェリア・スイス・英国では使えません。

スキルの公式ヘルプ。18歳以上、個人の Google アカウント、Google AI Pro または Ultra のサブスクリプションが必要と書かれている
スキルの利用条件も Spark と同じです。出典 Gemini アプリのスキルを作成、管理する

NotebookLM は Gemini Notebook に名前が変わりました。2026年7月16日の発表です。同じ製品のまま名前とロゴが変わり、これまでのノートブックと共有リンクはそのまま使えます。本教材では新しい名前で統一しています。

NotebookLM が Gemini Notebook に改称されたことを伝える Google 公式ブログ
改称を伝える公式ブログです。機能が減ったわけではありません。出典 NotebookLM is now Gemini Notebook

Google が向かっている方向

Spark を発表したときの言葉が、いちばん分かりやすく方向を示しています。

「質問に答えるだけの受動的なアシスタントから、24時間いつでもタスクをこなし続けてくれる能動的な頼れるパートナーへと、AI の役割をガラリと変える画期的な機能です」(Google Japan 公式ブログ 2026年7月29日

つまり、作るものが「よく答えるアシスタント」から「自分で動くエージェント」へ移りつつあるということです。本日つくる Gem は前者にあたります。まず前者を自分の手で作れるようになると、後者が来たときに何を任せられるかの判断がつきます。順番として遠回りではありません。

報道されている話

ここから先は、Google の発表ではありません 2026年8月9日、海外のメディアが「Gem は10月20日に終了し、スキルへの作り直しを求められる」と報じました。根拠は、Gemini の画面に隠れていた未公開の案内文です。Google はこの件について、8月15日時点で何も発表していません。公式ヘルプもリリースノートも、Gem を現役の機能として扱っています。
Gem が10月20日に終了すると報じた投稿。Gemini の画面に出た未公開の案内文のスクリーンショットが添えられている
報道のもとになった投稿です。画面上部の案内文が根拠とされています。出典 TestingCatalog の投稿(2026年8月9日)

この話をどう受け取るかですが、確かめようがある部分と、そうでない部分を分けて見てください。案内文が実在することは画像で分かります。一方、それが正式な決定なのか、いつ実行されるのか、無料の利用者がどうなるのかは、誰も確認できていません。

ひとつ言えるのは、移行先とされるスキルは、いまのところ有料のプランでしか使えないということです。仮に報道のとおりになった場合、無料で使っている人の受け皿は、現時点では示されていません。

この研修での扱い

本日は Gem でアシスタントを作ります。上の表のとおり無料の範囲に含まれており、9月9日の時点で使えます。Spark と スキル は有料のプランが必要なため、本日は画面をお見せする紹介にとどめます。

ひとつだけ、進め方を変えています。設備マニュアルは章ごとに分けたものを配布しています。無料の範囲では一度に読み込める分量が 32,000 トークンまでで、分厚い資料を丸ごと入れると後半が読まれずに回答がぼやけます。必要な章だけを入れるほうが、答えが安定します。

あわせて、作った Gem の設定文をテキストで手元に保存する手順を最後に入れました。設定文さえ残しておけば、提供のかたちが変わっても同じものを作り直せます。

開催日は10月20日より前です。本日の内容は、報道がどうなっても最後まで実施できます。

本セクションの内容は2026年8月15日時点の公式ドキュメントに基づいています。開催までに変わることがあります。当日は画面の表示を優先してください。

06

事前セットアップ

開催日までに、次の準備をお願いします。

  • 1Google アカウントお手持ちの個人用アカウントで問題ありません
  • 2Gemini(ブラウザ版)無料の範囲で使います。ログインできる状態にしてください
  • 3Gemini Notebook同じ Google アカウントでログインできる状態にしてください
  • 4配布物のダウンロードと展開お使いのパソコンに合う方の ZIP を展開しておいてください
07

ハンズオンの進め方

講師が画面を出しながら1手ずつ進めます。同じ操作を手元でなぞってください。追いつかなくなったら手を止めて声をかけてください。

うまく答えないときに直す場所

思ったとおりに答えないときは、質問の文を書き直すより先に、アシスタント側の指示文を直してください。「手順は番号を振る」「説明書に書いていないことは推測しないで、書いていないと答える」のように、答え方を1行足すだけで結果が変わります。指示を足す、試す、また足す、を3回ほど繰り返すのが目安です。

作った設定を手元に残す

研修が終わる前に、アシスタントに書いた指示文をコピーして、自分のパソコンにテキストで保存してください。メモ帳でもメールの下書きでもかまいません。指示文はただの文章なので、これさえ残っていれば、同じものをいつでも作り直せます。覚えさせた資料は配布フォルダにあるので、あわせて保管しておいてください。

08

配布物ダウンロード

当日使う一式を ZIP にまとめてあります。中身は同じで、日本語のファイル名の入れ方だけが Windows 用と Mac 用で違います。

文字化けさせないために Windows の方は赤いボタン、Mac の方は「Mac をお使いの方はこちら」からダウンロードしてください。逆を取ると、展開したときに日本語のファイル名が読めない文字に変わります。Windows 用の ZIP には、ファイル名を Windows 標準の文字コードと UTF-8 の2通りで書き込んであります。エクスプローラーの「すべて展開」でも、7-Zip・WinRAR・Lhaplus といった解凍ソフトでも、そのまま日本語で出ます。
展開について Windows は ZIP を右クリックして「すべて展開」、Mac はダブルクリックで展開されます。ZIP のまま中身を開くとファイルが読み込めないことがあるため、必ず展開してから使ってください。展開先はデスクトップなど、あとから場所を言える所にしてください。万が一ファイル名が文字化けした場合の直し方は、事前セットアップガイドに書いています。

ZIP の中身

フォルダ入っているもの
01_設備マニュアル/搬送コンベア CV-200 の取扱説明書。全文(Markdown と PDF)と、章ごとに分けた5つのファイルが入っています。アシスタントに覚えさせるのは必要な章だけです
02_エラー表示/制御盤にエラーが出ている画像。画像を読ませる場面で使います
03_点検記録/2026年7月の点検記録(CSV)。記録から傾向を読み取る場面で使います
04_作業日報/現場の走り書きメモ。日報の形に整える場面で使います
README.md中身の一覧と、ファイル名が文字化けしたときの直し方
09

FAQ

派遣先の資料を Gemini に入れてもよいのでしょうか。

個人の Google アカウントの無料の範囲では、入れないでください。Google の公式ヘルプに「レビュアーに見られたくない機密情報や、Google のサービス(機械学習技術など)の改良のために使用されたくない機密情報は入力しないでください」と書かれています。会話の一部は人によるレビューの対象になり、Gemini アプリ アクティビティが有効な場合はモデルの改善にも使われます。当日は配布したダミーの資料だけを使います。実際の業務で使うときは、派遣先が定めているルールを先に確認してください。(Gemini アプリとプライバシー

有料のプランに入っていなくてもアシスタントは作れますか。

作れます。Gem の作成は無料の範囲に含まれています。(Gemini の使用量上限

Gemini と Gemini Notebook は、情報の扱いが同じですか。

違います。Gemini Notebook は「フィードバックを送信しない限り、Google の基盤モデルのトレーニングに直接使用されることはありません」と公開されています。ただし回答の下にある高評価・低評価のボタンを押すと、そのときのソースや出力が収集の対象になります。研修中は、このボタンを押さないでください。(Gemini Notebook のプライバシー

画面に出ているモデルの名前が、資料と違います。

資料に書いてあるものより新しいモデルに入れ替わっています。入力欄の上にある一覧から、表示されているものを選んでください。どれを選んでも当日の内容は進められます。

Gemini Notebook が途中で使えなくなりました。

無料の範囲は1日あたりのチャットが50回までです。上限に達すると翌日まで待つことになります。当日 Gemini Notebook を使うのは資料を置いて確認する場面だけなので、質問を試す作業は Gemini 側で行ってください。(Gemini Notebook の使用量上限

取扱説明書を読み込ませたのに、書いてある内容と違う答えが返ります。

アシスタントの指示文に「知識に入れた資料に書いていないことは推測せず、書いていないと答える」の1行を足してください。それでも直らない場合は、質問の言葉を資料に出てくる言葉に寄せます。「ベルトが滑る」より「E-02」のほうが確実に当たります。

ZIP を展開したらファイル名が読めない文字になりました。

ZIP の取り違えが原因です。Windows をお使いの方は赤いボタン、Mac をお使いの方は「Mac をお使いの方はこちら」から取り直して、展開し直してください。中身は同じで、日本語のファイル名の入れ方だけが違います。

点検記録の CSV を Excel で開くと文字が崩れます。

Excel の「データ」タブから「テキストまたは CSV から」を選び、文字コードに「65001: Unicode (UTF-8)」を指定して読み込んでください。

会社から貸与されたパソコンで Google にログインできません。

個人の Google アカウントでかまいません。当日使うのはブラウザだけで、パソコンに何かを入れる操作はありません。貸与端末で Gemini や Gemini Notebook のサイト自体が開けない場合は、開催の前日までにご連絡ください。

作ったアシスタントは研修のあとも残りますか。

残ります。自分の Google アカウントの中に保存されるので、翌日以降も同じ画面から使えます。知識に入れた資料を差し替えれば、担当している別の設備向けに作り替えられます。